作品で物語を語る 『遠方』を水彩画で描く BY 水彩画家 東富有

 今回も水彩画家 東富有先生の作品制作を取材した。父との作品に対しての対談を通して、息子として、また水彩画を研究する者としての観点から、作品解説をさせていただければと思う。 

 この「遠方」という作品の第一印象は癒しである。絵本のような異世界を感じさせる作風で、心に浸透してゆく心象風景である。作品中には画家のコロナ禍の心情が込められており、家族である犬と共に、遠くを望むひとりの百姓が遠い世界に憧れを抱くという物語りが伝わってくる。自分自身の現状に幸せを感じながらも、遠くを望む男の背中からは、時折寂しささえ感じる。雲間から見える夕焼け色や空色が、少しの希望を見せ、上下に広がる空と海の空間が大自然の中にいるということを感じさせてくれる。 

こちらに笑いかける犬の描写が素晴らしい。大の筆一本で描いたとは思えない描写で、毛並みの表現が繊細で、可愛らしい犬の表情を作っている。たらいは綱が一周回しており、板の質感を出すことで古さを出している。この一部分の描写に一番、時間をかけられていた。

今回の作品から私が感じたことは、絵で物語を語ることは難しく、それを成すことが出来ることこそ、絵の醍醐味であり、ただ見たままに描写するだけでは足りないということである。自分の考えていることや自分のおかれた状況を踏まえ、理性と感性で描いていくことが作品を制作する上で、楽しさにつながっていくのだと教わった。気持ちが沈んだとき、頑張らないといけないとき、この作品を見て、癒されたいと思う。

   (佐渡のたらい舟の景色を参考)

 「遠方」F8号 作品/東富有 文/東有達


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